需要と供給を結びつけて収益を得るビジネス、それがマッチングビジネスです。また、供給する要素が不足している場合に、複数の要素を寄せ集めることも広い意味でマッチングビジネスであると考えます。
例えば音楽出版を考えた場合に、良い曲、良い歌詞があってもそれを表現出来る歌手がいなければ楽曲は成立しません。そんな楽曲の要素をベストマッチさせてあげる事、これもマッチングビジネスの一部なのです。
一般の会社員であれば、会社内の社員という要素がうまく機能し合い仕事をこなしていきます。但し、その要素としての社員の立場から言えば、会社内でのマッチング以外は許されません。ずっと会社に縛られて仕事をしなければなりません。
これからのビジネス形態を考えた時に、そんな融通の利かない体制では柔軟に仕事をこなしていくことは難しいと考えます。個々人がそれぞれの得意分野のスキルを伸ばし、お互いに得意な分野同士を結び付け、需要に対応する供給を作っていく、それがこれからの新しいビジネスのあり方だと考えるのです。
ひとつの会社に縛られない形での疎結合(独立性を保ちつつお互いが緩やかに結びつく状態)として、柔軟に、ベストマッチングを提供する。それがこれから求められるビジネスの形であると考えます。そう考えれば、それぞれが持つスキルを柔軟に供給し合える人達が生き残っていける社会になっていくものと確信するのです。
疎結合の時代がやってきました。脳内のシノプスが触手を伸ばすかのように、人々がそれぞれの得意分野を持ち寄ることにより、ビジネスを創出していかなければなりません。そんなビジネス形態の一つとして音楽出版を考えてみましょう。これはひとつのモデルなのです。ひとつのスモールビジネスモデルを経験することにより、皿回しの皿を増やしていく障壁は低くなっていくのではないでしょうか。